バレエ公演レポート

NEW 2024.9.26 更新

~感動の舞台~

バレエ公演REPORT


 

GKB Professional Performance

LA BAYADERE

2024.9.7(土)

@町田市民ホール 

 

 

 

 

  NBAバレエ団ファーストソリストの刑部星矢が代表を務めるGKBパフォーマンス。2022年の第1回目公演に続き、第2回プロフェッショナルパフォーマンスが、2024年9月7日に町田市民ホールにて開催されました。今回も3部作。雰囲気の異なる作品3首を一気に堪能することができました。

 

 第1幕は『アルパカ』。町田での公演ということで、町田の現在の特徴の一つとなっているアルパカをモチーフとして演出、振付を考えたというユニークな作品。振り付けはNBAバレエ団ソリスト兼、常任振付師の岩田雅女によるものでした。

 幕開きはアルパカの白をベースにした衣装をまとう群舞の軽快な動きから始まりました。アルパカの手をイメージしたアームスの振付とアルパカの高いジャンプを感じさせるアチチュードでのジャンプの動きが作品全体によく使われ、アルパカのイメージを最初から最後まで表現していました。ジョーゼットがかさなったようなパンツ型衣裳がやらかい光の中で揺れ動き、アルパカの毛のふわふわした優しい雰囲気をも感じさせるようなダンスがとても印象的でした。光と動きのコントラストがとてもきれいでした。主演はアルパカ役に新国立バレエ団の奥村康介、青年役に森田維央が演じ、22名の若手ダンサーと躍動感あふれるユニークな世界観を作り出していました。

 

 第2幕はガラっと印象が変わり、『舞姫』。この舞台の特徴はなんといっても舞台上での室内楽演奏者との共演でしょう。ピアノ、フルート、バイオリン、チェロの4名という人数ですが、十分迫力のある生演奏を奏で、音と動きの調和により完成した舞台でした。音楽は『バヤデール』の名曲を使い、最後の三幕への導入ともなっていました。ダンサーは新国立劇場バレエ団の池田理沙子とRoi SoleilBalletの新井秀之2人のみ。生演奏の鳴り響く中、スモークとそこに差し込むライトの中で、2人の動きがまぶしいほどに浮かび上がっていました。舞姫の踊りが大変美しく、舞台全体の空間の空気を動かすような大きく、やわらかくそしてのびのびした動きに心をつかまれました。

  そして続く第3幕は『バヤデール』の第2幕「婚礼の場」。舞台装置と衣装も大変華やかな演出の中、GKBパフォーマンス代表の刑部星矢演じるソロルと新国立劇場バレエ団小野絢子演じるガムザッティとの登場のシーンは大変神々しい空気感となり、観客の拍手も盛り上がりました。幕開けに続き、扇の踊り、オウムの踊り、ベールの踊り、ヴァリエーション、ブロンズアイドル、壷の踊り、太鼓の踊り、そしてパグダシオンと主役の踊りが総勢46名のダンサーにより、豪華に繰り広げられました。

 元NBAバレエ団高橋真介演じるブロンズアイドルは、切れのある踊りと回転のスピード感で会場を盛り上げていました。また、太鼓の踊りでは、力強い4人の男性ダンサーの踊りが激しいリズムを生き生きと奏でている印象で、そしてセンターのソリストはNBAバレエ団からの鈴木恵里奈と大森康正が演じ、高いジャンプとアチチュードがさらに迫力を加えていました。

 終盤を彩るガムザッティのヴァリエーションは可愛らしい中にも気品ある空気を振りまき、軽々しくリズミカルに踊っている小野の姿が大変まぶしく感じました。

最後の主役のパドゥドゥでは、小野のやわらかい雰囲気に包まれ大変優美な時間が流れ、豪華な最後のポーズにより、割れるような拍手に包まれて幕を閉じました。

 

次回のGKBプロフェッショナルパフォーマンス公演も楽しみにしたいと思います。

 

 

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