バレエ公演レポート

NEW 2024.9.19  更新

~感動の舞台~

ゲネプロ取材REPORT


 バレエウィークゲネプロ取材レポート‼

いち早く皆様に舞台の魅力をお伝えします。

 

昨年の初演で人気を博した舞台の再演!

バレエ「えんとつ町のプペル」2024

 

ゲネプロ取材 2024.9.18

公演日 2024.9.19

@めぐろパーシモンホール 大ホール

 

 

 キングコング西野亮廣さん原作の絵本『えんとつ町のプペル』がバレエ作品に。昨年の初演に引き続き、今年9月19日(木)にめぐろパーシモンホール 大ホールにて再演されます。バレエウィークは一足お先に前日のゲネプロに取材に行ってきました!

 

製作総指揮は昨年に引き続き関 巴瑠花、演出は昨年の関から、宝満直也に変わり、振付とともに担当。主演のルビッチ役には竹田仁美(元NBAバレエ団プリンシパル)、プペル役には風間自然(フリーランス)、そしてその他のキャストもほぼ昨年同様の安定のメンバー。子役は新たにオーディションをした新メンバーが揃っていました。

 

  初演に引き続き、プペルの世界をとても生き生きとエネルギッシュに、そして感動的にバレエで仕上げた作品となっていました。バレエだからこそのダンサー一人一人から溢れ出るパワーが集まり、それが一つにまとまって出来上がったような作品の仕上がりとなっていました。また、えんとつ町のどんよりしたシーンの中にバレエながらの煌びやかな雰囲気を感じたのは、ホリゾントや街の灯りをカラフルに表現した舞台美術でした。光と影のコントラストで舞台空間を可愛らしくファンタジックに演出。幕が上がるや否や一気に絵本の世界に引き込まれます。煙突から煙が出ていたりと舞台効果などにも細かい仕掛けがあり、隅々まで楽しむこともできました。

 

 町のハロウィンの夜の楽しさを表現したダンスは華やかで、1幕のリズミカルなメインナンバーと言えるような曲でした。そしてルビッチとプペルの象徴的な出会いのシーンでは、竹田仁美ののびのびとした踊りと風間自然の身体中で語りかけるような動きが合間って、とても印象的なシーンとなっていました。言葉のないバレエですが、表情と身体全体を使った動きが言葉以上に観客に話しかけてくるようにも思え、ここに演出・振付家宝満のこだわりが垣間見られました。

 

 その後、ルビッチがゴミ人間プペルをコミカルに臭がったりしながら2人の距離を縮めるシーンでは、徐々に仲良くなっていく感じがとても分かりやすい踊りで表現され、二人のリフトや振付にも楽しさが溢れていて子供から大人まで誰が見てもとても見やすく工夫されていました。

 

 また、地下鉱山に迷い込んだシーンも面白く、客席まで使った演出は観客との距離を近くし、そのユニークなシーンはホール全体にプペルの世界観を感じさせる瞬間でした。子役のミニスコップたちも物語のキーの一つとして可愛らしい存在感を放ち、会場からも拍手が沸き上がっていました。1幕最後は灰色の煙で舞台が包まれて終わりますが、その煙の動きを表す舞台全体を覆う布とコンテンポラリーダンスのミックスが迫力があり、見どころの一つと言えるでしょう。

 

   二幕幕開けは、クラシックバレエの幕物作品の構成として伝統的でよく好まれているような多くのキャストによる豪華で明るいオープニング曲で始まりました。プぺルのストーリーには欠かせない要素である煙突掃除のシーンをほうきを持って踊るバレエ曲としてリズミカルに描いていました。

 

 今回のバレエ作品が古典バレエ作品とは異なる特徴は、踊りではない演劇だけのシーンも多いというところでしょう。演劇の部分とバレエダンスシーンが入り混じってストーリーが進みますが、どちらも言葉はなく、表情と身体表現でストーリーを進めていきます。言葉のない演劇シーンもすばらしいですが、風間自然の力強いコンテンポラリーダンスによるプぺルの心情表現もとても心打たれるシーンでした。ストーリーのクライマックスである自分の身体の中にお父さんの形見であるペンダントを見つけるシーンは、観客を惹きつけるワンシーンと言えるでしょう。そしてお父さんの言葉を信じ、夢を追って星を見に行くシーンの演出は舞台装置もとても華やかで感動的なシーンでした。

 

 このバレエ「えんとつ町のプぺル」の新しく、面白いところは、何といってもクラシックバレエとコンテンポラリーが共存し、融合しながら舞台を作り上げているところだと思います。是非劇場でこの比類ないバレエ作品の面白さをたくさん発見してみてください‼

 

☆彡Making of「えんとつ町のプぺル」☆彡

リハーサルレポートはこちら☞

 

 【公演詳細】

日時:2024 年 9 月19 日(木)14:00/19:00

会場:めぐろパーシモンホール 大ホール

   (東京都新宿区新宿6丁目14­1)

 

原作・脚本:⻄野 亮廣

制作総指揮・演出:関 巴瑠花

振付:宝満 直也

音楽監督・指揮:冨田 実里

管弦楽団:ロイヤルチェンバーオーケストラ

 

【キャスト】

プペル:風間自然

ルビッチ:竹田仁美

スコップ:八幡顕光

レベッカ:白石あゆ美

キャシー:勅使河原綾乃(NBA バレエ団)

ルイーズ:土田明日香(バレエシャンブルウエスト)

街灯:岡博美(東京シティバレエ団)・盆子原美奈 他

えんとつ掃除屋:牧村直樹(谷桃子バレエ団)・岡田晃明(東京シティバレエ団) 他

ほか多くのダンサーの皆さま

 

主催:バレエ「えんとつ町のプペル」製作委員会

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