バレエ公演稽古場取材レポート

NEW 2024.9.12  更新

~あの舞台ができるまで~

稽古場取材REPORT


 

バレエウィーク稽古場取材レポート‼

いち早く皆様に舞台の魅力をお伝えします。

 

昨年の初演で人気を博した舞台の再演!

バレエ「えんとつ町のプペル」2024

 

公演日 2024.9.19

@めぐろパーシモンホール 大ホール

<今年の公演情報はこちら☞>

 

 

 映画化で大きな反響を呼んだキングコング西野亮廣さん原作の絵本『えんとつ町のプペル』が昨年バレエとなり、早や1年。今年9月19日(木)にめぐろパーシモンホール 大ホールにて再演が決定しました。バレエウィーク編集部は、先日の公開稽古に参加させて頂きましたので、今年の魅力をいち早く皆様へお伝えいたします!!

 

製作総指揮は関 巴瑠花さん、演出は昨年の関さんから、宝満直也さんに変わり、宝満さんが演出と振付を担当することに。主演のルビッチ役には竹田仁美さん(元NBAバレエ団プリンシパル)、プペル役には風間自然さん(フリーランス)、そしてキャストはほぼ昨年同様の安定のメンバー。子役は新たにオーディションをして新メンバーが揃い、総勢約70人が一丸となって、2024年版の新しい「えんとつ町のプぺル」が完成予定です。

 

昨年の公演については、バレエウィーク公演レポートをご覧ください。(公演の写真も公開中)☞

 

 先日、本番約半月前のリハーサルに潜入。本番を目前に、リハーサル室はそれぞれのキャストの真剣なまなざしと熱気にあふれ、本番の舞台がより楽しみになるようなワンシーンを拝見させて頂きました。演出・振付の宝満さんによる指導でのダンス練習は、踊りの動きの合わせだけでなく、演技を絡めた動きや心情までも大変細かく指導していました。ハロウィンナイトの街の賑やかなダンスシーンであるユニゾンやコーダの稽古、そして仮装の一人かと思っていたプぺルを子供達が認識する瞬間のシーンなど、ストーリーの中でとても大事な瞬間を大変細かく指導し、どこをどのようにお客様に見せたいのかを意識しながら舞台の動きを作っていました。その的確なアドバイスはキャストのみなさんの動きや表現の質を一気に上げていきました。

 同じ仮装の子供達の集まりではありますが、是非本番の舞台で、もともと人間ではないプぺルの仮装?と、仮装しているけれど、もともと人間の子たちという設定のダンサーの動きのコントラストを見つけて楽しんでみてください!!

 

 

 今年度版に向けて、製作総指揮の関さん、演出・振付の宝満さん、プぺルとルビッチ役ダンサーの風間さんと竹田さんにいくつかインタビューしました。

 

Q:再演の今年版「えんとつ町のプぺル」への意気込みは?

【関】ーー昨年度の初演はとてもエネルギー感のある舞台となったので、2年目となり去年を超えられるのかドキドキしていますが、通し稽古をした時、みんなの一致団結感がで出てきて、また今年もよりよい舞台ができそうだと思っています。一人でも多くの人にこの作品を届けられるように私も頑張りたいと思っています。

 

【宝満】ーー10歳前後の子供からプロのダンサーまで集まり、全幕バレエをやるのは素晴らしい機会だと思っています。ほぼ同じメンバーですが、また全く新しいものを作り上げる気持ちでやっています。去年は見れなかったような景色を今年はみれるようにエンジンをかけ始めているところで、今年の作品がどのようになるのか楽しみです‼

 

Q:「えんとつ町のプペル」は映画やミュージカル、演劇などいろいろな形で作られていますが、バレエならではの良さとはなんですか?

 

【宝満】ーーもともと絵本からの作品であり、映画化もされていました。一件ファンタジーの要素が強い作品ですね。映画はシチュエーションの説明が得意で、パッとシーンが変わったり、ナレーションなども入れられたりしますが、バレエではそのようなことは一切できなく、生身の人間の身体がお客様の前にさらけ出されます。ファンタジーですが、ファンタジーを演じているダンサーの身体は自分たちの世界とリンクしています。バレエは映像や言葉で説明できないから、その舞台上でダンサーが感じて魂で表現するしかないんです。ナレーションが説明してくれない中、大劇場で立たされる生身の身体から発せられるエネルギーだったり、音楽と混ざりあったその空間のすばらしさを生でお客様が直接感じ取れるというところがバレエならではのよさであると思っています。

 私が全幕を作るときに大切にしているのは「関係性」です。なぜプぺるとルビッチが出会ったのか、そして作品の中でそれがどのように進んでいくのかということです。人の意思と意思が混ざりあい、離れたり近づいたりとドラマが進みます。台詞がなくて表現できるところが美しいところであり、台詞がなくても分かり、楽しめるところが生の舞台の素晴らしいところだと思っています。

 

Q:再演に向けて、初演と異なること、変えていることは何かありますか?

【風間】ーー初演とのつながりは特に意識せず、新たな気持ちですべてやっています。今に集中するのみです!

      踊り、演じる時に自然とできる関係性を大事にしています。二人の演技により勝手に出来上がるという感覚です。

 

【竹田】ーー今回は今回で新たなものとして演じています。プぺルの演技に任せて、それに委ねて自分はルビッチの役として生きています。特にこの役だからということもなく、自然に演じながらできていく関係性を大事にしています。

 

 Q:楽しみにしているお客様へのメッセージをお願いします!

【竹田】ーークラシックダンサー、コンテンポラリーダンサー、子役までが一同に集まり、一つのカンパニーからではなく、様々な人たちが集まって作り上げた温かい舞台です。子供もとても楽しめる作品なので、小さなお子様から大人まで全世代のお客様に楽しんで頂きたいでです!

 

【風間】ーー私がいうメッセージをもとにというより、本当に観に来たいと思っている人に是非観てもらいたいです。バレエは芸術なので、それを感じてもらえる人に何かを受け取り、感じてもらえたら嬉しいです。

 

【関&宝満】ーー昨年と振り付けも少し変えているので、昨年との違いも探して楽しんでもらえたらうれしいです!

 

スタッフやダンサーの話を聞き、今年の舞台への期待が膨らみました。ハロウィンが近づいてきた今日この頃、華やかで楽し気でありながら感動的なこの「えんとつ町のプぺル」の舞台がとても楽しみになってきました。

 

 【公演詳細】

日時:2024 年 9 月19 日(木)14:00/19:00

会場:めぐろパーシモンホール 大ホール

   (東京都新宿区新宿6丁目14­1)

 

原作・脚本:⻄野 亮廣

制作総指揮・演出:関 巴瑠花

振付:宝満 直也

音楽監督・指揮:冨田 実里

管弦楽団:ロイヤルチェンバーオーケストラ

 

【キャスト】

プペル:風間自然

ルビッチ:竹田仁美

スコップ:八幡顕光

レベッカ:白石あゆ美

キャシー:勅使河原綾乃(NBA バレエ団)

ルイーズ:土田明日香(バレエシャンブルウエスト)

街灯:岡博美(東京シティバレエ団)・盆子原美奈 他

えんとつ掃除屋:牧村直樹(谷桃子バレエ団)・岡田晃明(東京シティバレエ団) 他

ほか多くのダンサーの皆さま

 

主催:バレエ「えんとつ町のプペル」製作委員会

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